FXなどを行う際によく耳にするCFDって知っていますか?
このCFDは「Contract For Difference」を略したもので「差金決済取引」を意味します。この差金決済取引とは、差額分をやりとりする取引なわけで、利益が出たら利益分、損失が出たら損失分のみを支払う取引形態です。
あまりなじみ人も多いCFDという商品ではありますが、実は証拠金を用いたトレード、レバレッジをかけられるといった部分でFXと似たようなものとなっています。つまり、FXはCFDの1つということです。
今回はこのCFDについてより詳しく見ていくことにしましょう。
目次
CFDの特徴について
一般的に現物取引の場合には、株価100万円を1株購入するとしたら、100万円の資金が必要となります。その購入した100万円が110万円になった時に決済をすれば、110万円が入金されることとなります。これが差金決済取引を用いない一般的なスタンスです。
しかし、この取引をCFDで行ったとした場合、現物株式のやり取りをするわけではなく、売買の差額部分のみCFDを提供しているFX業者と行うことになります。差額の10万円のみを、トレーダーとCFDを提供している業者間で行うわけですね。この際現物の株を購入するわけではないため、担保となる証拠金を預ければ、大きな金額でのトレードを行えるのがCFDの仕組みです。また、この大きなトレードを行うのにCFDでは、FXと同様レバレッジをかけることができます。
CFDのメリットついて
ここではCFD取引のメリットについて、いくつかメリットとして挙げられるものを説明していきます。
(1)ハイレバレッジをかけられるので、資金に対して大きなトレードができる
CFDはレバレッジをかけることができるため、現有資金に対して大きな資金をかけたトレードを行えます。
レバレッジを使ったトレードによって、海外FXの場合には数百倍~数千倍の金額を取り扱ったトレードが実現できます。それにより、レバレッジをうまく活用すればトレード資金が少なくても大きな利益も狙うことができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
(2)世界各国の株価指数に対して投資可能
株式投資は日本やアメリカ以外にも世界各国で行われています。日本やアメリカ以外の株式投資をするのはあまり簡単ではありませんが、CFDを利用することで世界各国の株価指数に投資することが可能となります。たとえば、日経平均株価やNYダウ・S&P500以外にも、ドイツやフランスといったヨーロッパの株価指数、あるいは中国、香港といったのアジアの株価指数にも投資することができるわけです。
また為替においても、米ドルやユーロの他、香港ドルやデンマーククローネなどへの投資が可能。
CFDは、通常の投資商品ではなかなか投資できない商品に対しても投資を行える点が魅力でもあります。
(3)配当金の受取が可能
CFDでは「買い注文」のポジションを保有している場合には、ケースによって配当金が受け取れます。またレバレッジをかけてトレードを行った場合、レバレッジ分に対しても配当がもらえます。このように配当を受け取れるのはCFDのメリットと言えるでしょう。しかしながら「売り注文」の場合、配当金相当額を支払わなければならなくなるため、注意が必要です。
(4)銘柄によっては24時間取引可能
CFDの取引は銘柄によっては営業日のほぼ24時間取引を行えます。日本株の場合にはトレードできる時間は営業日の9:00~15:00まで、かつ11:30~12:30までは休憩になっているため取引できません。
しかし、CFDであれば、営業日なら世界中でかならずどこかしらの市場は会場しているので、ほぼ24時間取引が可能となります。とはいえ、銘柄によって取引時間が短くなっているものもありますので注意しましょう。土日や市場がやっていない間、取引はできませんので、取引時間については確認しておく必要があります。
CFDのデメリットついて
続いてCFD取引のデメリットについて、いくつか説明していきます。
(1)レバレッジによるリスクが大きくなる可能性が大
ハイレバレッジがかけられることによるメリットは時にリスクともなります。急激な相場変動によって資金を失ってしまうといった大きな損失が出てしまうこともあり得るので、ハイレバレッジトレードは諸刃の剣であることを知ったうえで行うようにしてください。しかしながら、海外FXを利用したCFD取引であれば、ゼロカットシステムが採用されているので、証拠金以上の損失が出ることがありません。その点はある意味安心かもしれません。
(2)株式・投資信託との損益通算が出来ない
CFDには株式投資や投資信託で利用可能な特定口座がないため、自分自身で確定申告を行わなければなりません。そのためCFDは雑所得に分類され、申告分離課税により税率は一律20.315%の支払いが発生します。
以上は利益があった場合の税についてですが、CFDで損失が出た場合、株式や投資信託との損益通算をすることができません。CFDが損益通算できるのはFXや先物取引の場合に限ります。
(3)CFDがあまり認知されておらず市場に出回っている情報が少ない
CFDはあまり情報が出回っていない印象を受けます。それは株式投資などと比べて歴史も浅いことが理由の一つかもしれません。そのため、トレードを行うのに十分な知識は自分で調べて身に付けなければなりません。その点はある意味デメリットになりますが、逆手に取れば情報が出回っていない分、競合となるライバルも少ないと言えます。
CFDの取り扱い商品
CFDではさまざまな商品への投資が行えます。株式や為替以外には、原油や貴金属など、コモディティと呼ばれるものにも投資を行うことが出来るんです。一般的なCFDの商品としては「株価指数CFD」「商品CFD」「外国株CFD」などがあります。これらの商品はモノによって、レバレッジが異なります。
株価指数CFD
株価指数CFDとは、ある一定の銘柄の株価を数値化したものを、原資産の価格としてトレードをすること。景気が良い時には価格は上昇し、景気が悪くなっていくと価格は下落するという市場特性があります。
商品CFD
商品CFDとは商品現物や商品先物を原資産とする商品を言います。たとえば、金や銀、原油などの商品先物でトレードを行います。これら商品は特に値動きが激しいため、ハイリスク・ハイリターンの商品です。
外国株CFD
外国株CFDの中には日本の証券会社で取引できない外国の銘柄がたくさんありますが、1口座で各国銘柄を管理することのできるメリットがあります。中には米国株だけでなく、中国株やヨーロッパ株に投資できる外国株CFDを提供しているFX業者もあります。
まとめ
今回はCFDについてまとめてきましたがいかがでしたでしょうか。
最近ではCFDで暗号資産(仮想通貨)を扱う業者も増えてきたり、取扱銘柄も増えているのが現状です。「FXだけでは物足りなくなってきた」といった新たなジャンルへ展開してみたいと考えている方に、CFD取引は新たな道を切り開いてくれることでしょう。CFD取引が可能なFX業者は国内外たくさんありますので、いくつか調べてみることをおすすめします。