ゼロカットシステムとは、急激な為替変動にロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになってしまった場合に追証(借金)の必要がありますが、その損失分をFX業者が負担して口座残高をゼロにリセットしてくれる海外FX業者独自のありがたいサービスのことです。
しかし、残念ながら国内FX業者にはゼロカットシステムがありません。
つまり、海外FXには「追証がない」=「借金を背負わない」というメリットがあります。
目次
国内FX業者にはゼロカットシステムがない理由
実は国内では、このゼロカットシステムが金融商品取引法という法律で禁止されています。
金融庁としては、FX業者の破綻を避ける目的があり、特定の顧客(ロスカットされた顧客)のみにメリットを与える仕組みは認めなられないというわけです。
第38条の2 金融商品取引業者等は、その行う投資助言・代理業又は投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。
2 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補塡等の禁止)
第39条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
3 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
ゼロカットシステムを悪用した取引は禁止
ゼロカットシステムは海外FX業者が追証分の費用を負担するサービスなので、その手法の裏をかいたトレードは禁止されています。
具体的には「週明けの窓開け&窓埋めを狙ったトレード」でゼロカットシステムを悪用することが禁止されています。
例えば、週末に資金2万円(10万通貨)でフルレバレッジのエントリーをして、月曜日の朝に50銭ほどの窓が開いたとします。
損失が出る時:2万円の資金で−2万円の損失(3万円は海外FX業者が負担)
以上のように、確率1/2で勝った場合は5万円、負けても2万円ですから「この手法だけを毎週行うトレーダー」は事実上負けることはありません。
このように「週明けの窓開け&窓埋めを狙ったトレード」のみを繰り返す取引は禁止されています。
もちろん、たまたま週末に建玉を持ち越すことはあり得ますので、どこまで許容されるかは海外FX業者の裁量によって異なってきます。
明らかなゼロカットシステムの悪用は避けておきましょう。
なぜ海外FX業者は追証分を負担できるのか?
理由は簡単です。顧客の損失分を補填してもそれ以上に利益があるからです。
海外FX業者と国内FX業者はビジネスモデルが違い、海外FX業者は顧客の取引量が多いと利益が上がり、国内FX業者は顧客の損失が多いと利益が上がる仕組みとなっています。
つまり海外FX業者は、顧客には追証を気にせずハイレバレッジ取引で大きな取引をしてもらうことのほうが儲かるということです。
ゼロカットシステムのおかげでハイレバ勝負
「100万円をFX取引で1億円にした!」などの記事を雑誌やウェブサイトなどで見かけることがあると思いますが、全部が嘘ということではなさそうです。
筆者の私も海外FX業者を利用し、レバレッジ1000倍で、10万円が10日間で1000万円になったこともありました。
その時は相場予想のすべてが当たり、資金が倍々ゲームで簡単に増えていった記憶があります。
ただし、このように資金を100倍以上にするという確率は非常に低く、相当なリスクを取った結果に生まれた利益です。ハイリスクを取り続けた結果、ハイリターンを“まぐれ”という話です。
一歩間違えると、国内FX業者を利用して1000万円の借金を背負った可能性さえあります。
国内外問わずどのFX業者でも1〜10pipsのスプレッドがズレる(スベる)こともあり、当時のリスクは相当なものであったと思われます。
ハイレバ勝負には最低限の証拠金が必要
いくらゼロカットシステムありハイレバ取引できるからと言って、証拠金が少なければ建玉した瞬間に数pips動いただけで強制ロスカットされてしまいます。
予想とは反対に相場が動いた場合、何pipsまで耐えることができるのかは事前に知っておく必要はあると思います。適当に「エイヤー」と博打しても連続して勝ち続けることは難しくなります。
「大きく増やす」と「コツコツ増やす」ではそもそもトレード手法が違う!
当たり前かもしれませんが、資金を大きく増やすトレードは、多少のリスクはあったとしても多くの利益を獲得できるようなトレードをすることです。その為には、リスク覚悟で短い期間(長くても数分)に大きな建玉を持ち、決済まで行うスキャルピング手法が資金を大きく増やすトレード法としてマッチしていると思います。
反対に、コツコツ資金を増やす方法は絶対に負けないトレードをすることを心掛けるということです。負けないトレードとはレバレッジを可能な限り低くして、予想した相場になるまで強制ロスカットされずに建玉をキープすることです。最悪、自分の予想と反して塩づけになっても数か月~数年の間全く困らないという金銭的余裕が必要です。
但し、売りから入るとキープ期間もスワップポイントを払い続けることになるため注意が必要です。