強制ロスカットが近いことを知らせてくれるのが「マージンコール」で、FX口座の損失が膨らんでいることをメールで教えてくれます。FX業者によっては「アラーム」や「アラート」などとも呼ばれることもあります。
マージンコールは、FX業者ごとに独自のルールが取り入れられています。口座に預けた金額や取引に必要な証拠金から、未決済の損失を引いた金額が、ある一定の割合を下回った場合にマージンコールが発動されるというルールを導入しているFX業者が多いようです。
このマージンコールのレートは、強制ロスカットと同様に、自分の取引画面からも確認することができますが、FX業者の中には、このサービスがないところもあります。
「マージンコール」を受け取った場合は、追加で証拠金を入金するか、そのまま何もしない、という選択肢もあるが、相場が自分の望む方向に動いてくれない限り、強制ロスカットになってしまう可能性が高いでしょう。
最近は、マージンコールの制度がなく、ロスカットルールのみを採用しているFX業者も増えています。ロスカットやマージンコールは、投資家を守るためのセーフティネットです。取引金額を増やすときは、必ず口座管理画面でマージンコール金額とロスカット金額を事前にチェックしましょう。これはFXを楽しむために、必ず押さえておきたいポイントです。
証拠金以上の取引が可能なFX
FXの魅力と言えば、小額でもレバレッジをかけることで差し入れた証拠金以上の金額でトレードできる点ですね。現在は、国内FX業者で25倍、海外のFX業者だと1,000倍といった高レバレッジでの取引が可能なFX業者もあります。(国内のレバレッジは、今後最大25倍→10倍になる可能性があり)
単純に25倍のレバレッジをかければ、1万円の証拠金を差し入れて25万円までの取引ができるようになるということです。大きく利益がとれる局面では有効活用するべき仕組みですが、国内FXの場合、差入れた証拠金額以上の損失が発生する可能性もありますので、注意が必要です。
そうしてリスク管理ができていない取引を繰り返し、損失が膨らみすぎると、時には取引口座がマイナスになり、いわゆる「赤残」と呼ばれる状態になることがあります。赤残は、FX業者に借金をしている状態で、指定の期日までに不足金の支払いを求める連絡がFX業者から届きます。
「もし不足金の支払いを行わないとどうなる?」という疑問を持たれる方が多いのですが、FX業者の期日を越えても不足金(追証)が支払われない場合、遅延損害金を上乗せした形で不足金を支払わなくてはなりませんので注意が必要です。
なお、この遅延損害金については、消費者契約法9条2号に定められた遅延損害金の最高利率である年率14.6%としているFX業者が多いようです。こうした赤残を含む損失の拡大を防ぐために、FXにはマージンコールというシステムがあります。
海外FXで、ゼロカットシステムが採用されているFX業者であれば、取引口座に入金した証拠金以上の不足金(追証)を求められないので安心してFXトレードが楽しめるでしょう。
マージンコールは強制ロスカット一歩手前の状態
マージンコールは、追証が必要になった状態で発せられる告知のことです。マージンコールが来るということは、一言で言えば、強制ロスカット一歩手前の状態にあることを示しています。
サッカーで例えると、イエローカードを出されている状態です。強制的に即退場というわけではありませんが、証拠金を追加で入金しなければ、レッドカードにより退場することになります。
マージンコールが発生するレートはFX業者によって異なりますが、当然ですが、ロスカットよりも高いレートの証拠金維持率が設定されている場合がほとんどです。
また、マージンコールのかけ方やタイミングは、FX業者によって違います。大まかに分けると、
- ロールオーバー時など、毎日決まった時刻にマージンコールの判定が行われ、その時点でFX業者の方で定めたマージンコールのレートに達していた場合、Eメールなどで通知されます。追証により証拠金維持率がそのまま回復しなければ、マージンカットと呼ばれる反対売買による強制決済が行われます。
- 決められた証拠金維持率を下回った段階でまずはマージンコールが行われ、Eメールなどで追加入金を促す通知が来る。その後、そのまま証拠金維持率が回復せずにさらに証拠金維持率が低下すると、ロスカットラインに達した段階で強制ロスカットされてしまう。
- そもそもマージンコール自体が設定されていない。
という3パターンに分けることができます。
マージンコールを放っておくとどうなるか?
為替レートが回復して証拠金維持率が回復すれば、マージンコールを放置していてもマージンカット(強制ロスカット)されることはありません。
しかし、そのまま証拠金維持率が回復せずに、ロスカットが執行されるレベルに落ち込んだ場合は、執行の対象となります。
ロスカットは成行注文で執行されるので、自分が想定したよりも不利なレートで約定することもあります。
約定したレートによっては、最初の方でも書いたように赤残が発生する可能性があり、FX業者に借金をする状態になってしまうこともあります。
もし大きなロット数を持って証拠金額ギリギリの状態で取引していた場合、相場の状況によってはその赤残が大きな金額になることも考えられます。そうならないためにも、マージンコールの段階で追加入金をしておく、または初めからゼロカットシステムのある海外FX業者を利用するに越したことはありません。